娘のだっこ卒業を促したきっかけの話

2023年9月24日

娘は出かけると、いつもだっこしてほしくなってしまい、なかなか歩いてくれませんでした。

その娘が自分で歩くようになり、だっこを卒業したきっかけについて、忘れないうちに書いておこうと思います。


だっこをせがむようになったわけ

あれは娘が2歳くらいのとき。外に出かけたりするとすぐに抱っこを要求し、なかなか歩きませんでした。


落ち着きがあるといえばそうだけど

活発な子どもだと、どこにでも走って行っちゃって追いかけるのが大変!というのはよく聞きます。しかし、いつまでもだっこしないといけないのも、それはそれで大変でした。

チョロチョロしないので落ち着きがあるといえばそうだけど、いつまで経っても自分で歩かないのでは困る。なにせ重い!

当時で10kg前後あったわけで、それだけで手がふさがる荷物だったんだわい。買い物のときはもちろん、公園も入り口までだっこ。まるで貴族です。


だっこしすぎた自覚がある

まぁ、こうなったのには心当たりがあります。これは親が悪くて、だっこしすぎたのでした。

歩き始めのころって、歩くのが遅いので、ついつい担いですたすた歩きたくなる。急いでるとき、疲れてるときは、まだ軽いうちはだっこして移動するほうが楽です。

で、それを繰り返すと、今度はそれが当たり前になるんですわ。そりゃそうだ。

いつもだっこしてきたくせに、いきなり歩けと言われても……確かに、本人からすれば困るわけで。完全に親の都合ではありますが、こまったこまった。


だっこを卒業したきっかけ

では、どうやってその「当たり前のだっこ」を卒業したのか。娘の場合ははっきりとしたきっかけがありました。


婆さんからの干渉

ある夏休み。まだ第二子がいない、3人家族だったころ。第二子が産まれるとバタバタして自分の時間がなくなるということで、妻は家に残して父と娘の二人で私の実家に帰省したことがありましたとさ。たぶん4日くらいだったと思います。

実家に帰ったらやっぱり、爺さん婆さんと4人で一緒に公園など行くわけさ。そうすると始終だっこなわけ。まぁそうすると婆さんが小言を言うわけさ。「泣いたらだっこしてもらえるんだからそりゃあ泣く」と。んなこたぁわかっとるわい!!嫁がいないときに、ここぞとばかり干渉する作戦でしょうか。しかし助言の通りですので、ぐうの音も出ません。

昔から教えられるのが嫌いな私。がんこちゃんです。その場では「へいへいへーい」と軽く受け流しますが、娘との厳しい「修行」を決意するのでした……。


獅子は千尋の谷にわが子を落とすのだ

同日の夕方、「ちょっと散歩いこか」なんて言ってそっと公園へ行く父と子。何もしらない娘は乗り気です。「お、遊びにいくのかい」という調子です。

ついたのは広い公園。まあここまでは普通です。いつものように遊びます。ウヒョー

さて、そろそろ帰る時間。「帰るかー」と言うと、お決まりの、両手を差し出しておねだりポージング。「帰るんでしょ?じゃあ頼む。」てなもんです。父としてはここからが本番です。ここで突き放します。「自分で歩いてくれい」と。


娘としてはいつもだっこされてたわけで、急に冷たくされたのでギャン泣きです。それはそれは大声で泣きます。

しかしここでだっこしては、次もこのくらいの大声で泣くわけ。ギャン泣きしたら最後、なにかしら達成するまで絶対だっこしちゃだめです。突っ伏して泣こうが、地面をのた打ち回ろうが、顔に砂がつこうが、近所迷惑だろうが、何時間かかろうが(このときは小一時間泣きっぱなしでした)、ここはダンコたる決意が必要です。

最終的に、3mくらい離れて、「ここまで歩いて来れたら一緒に帰ろう」と譲歩しました。それでも1hr弱。ちょっと歩いて泣き崩れて……を繰り返す娘。

ようやく父のもとにたどり着いた娘は、鼻水、涙、よだれ、砂、草、etc.だらけ。ここでかわいそうと思ってはいけません。褒め称えましょう。ムツゴロウのように褒めまくりました。よーしよしよし!


がんばったねえ

ここで試合終了。がんばったご褒美に、だっこして帰ります。

約束を違えてはいけません。譲歩したらそのとおりにしましょう。ここまできたらもっともっとなんて欲が出ますが、だめです。

やったねえ、すごかったねえ、おとなだねえ と、だっこして歩きながらぽつりぽつりと話していると、鼻水べたべたの顔でニコニコしてましたね。書いてて思い出して泣きそうになるくらい、娘は頑張ったと思います。

帰って爺さん婆さんにも経緯を話し、褒め称えてもらい、父はお祝いに大酒を喰らい、その日はふとんに入った瞬間に親子ともにグーグーと寝ました。そうして後腐れなく、だっこ卒業の第一歩は成功したのでした。

やってよかったぜ、マジで……。一番ホッとしてるのは私です。


その後の様子

それからというもの、よほど疲れたとき以外ではだっこを要求しなくなったのでした。


キッチリと変わってくれた

この件があった後、娘はすぐに変わりました。自分でなるべく頑張るようになりました。後に妻もびっくりするほど、キッチリと変わりました。

突き放していじめたいわけじゃないんだよ……辛かったよ、こっちも。

今回の件に関しては、頑張らせることが悪いことだったとは思いません。良いものは良い・ダメなものはダメと言う親なんだな、ということを分かってもらう上でも、この修行には意味があったと思っています。自分に言い聞かせているわけではなく……。


ちなみに、その後はだっこを要求する際には「だっこお願いしまーす」と言うように教えました。親が気分良い方が、子どものためです!「ん!」とか言われるの嫌だし、親以外の人にお願いするときにも行ってほしくない。

「お願いしまーす」は調子良く言わせて、重くならないようにするのが良いです。小さいのに「ダッコオネシャース!」みたいに言うので、よく見知らぬ人に笑われましたね。娘はだんだん、お調子者みたいになってきています。

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